この記事は2010年の論文Josef Fink(A review of the Post-Earnings-Announcement Drift)に基づいています。論文ではPEADが起こる要因を可能性レベル色々載せています。はっきりとしません。これを全部載せるとごちゃごちゃするので初心者の方でも分かりやすくなるようにざっくりと書いて見ました。
PEADとは?
Post-Earnings-Anounsment-Drift
決算発表後のドリフト
決算サプライズが起こった後に株価が上か下にじわじわ動き続ける現象をいいます。
Drift(ドリフト)・・・一定方向にじわじわと動き続ける
経済学者ファーマの効率的市場仮説によると、新しい情報が出てこれば、速攻で株価に織り込まれるはずです。ですがPEADは時をかけてゆっくりと価格に織り込まれていくのです。ファーマが「過小反応イベントの爺さん」と言っているんですよね。笑
現状は?
「あるよ」
論文は2010年時点で「まだある」と言っています。結構古くからある現象なので、昨今の技術が進歩した世の中でこんなことまだあるの?と思われるかと思いますが、まだあるようです。
発表直後の四半期に集中
昔は複数の四半期にまたがって株が一定方向に継続していたが、今は四半期決算発表直後の四半期に集中している。
小さい企業>大きい企業
PEADの長さは企業の大きさとは反対の関係があります。
企業が大きければPEADは小さい。
企業が小さければ、PEADは大きい。
企業サイズ
大きい企業の株がなぜPEADが小さいか?
- 流動性が高い
- 投資家は学習済
- 裁定取引しやすい
この記事でいうところの裁定取引はPEADを利用して利益を取るものと思ってください。買い方向のサプライズ銘柄を買い、売り方向のサプライズ銘柄を売ることです。そうして理論株価までの利幅をとっていくイメージですね。
サプライズが起こることで、実際の株の価値が動き、現在の株価と本当の価値(理論株価)に差ができます。その差は流動性が高く、裁定取引しやすい大型株ならすぐに解消されてしまうわけです。
一方、小さい企業の株はなぜPEADが大きい?
- 流動性が低い
- 裁定取引がしにくい
- 情報環境が悪い
なので、サプライズが起こっても価格が歪んだままになるので、ゆっくりと理論株価に近づいていく。つまり、PEADが起こるわけなんです。
決算サプライズとは?
四半期決算(3ヶ月に1回の決算)の利益が予想利益を大幅に上回った・大幅に下回ったことをいいます。
ただ大幅に上回った・下回ったと言っても、比較するものがなければ、感覚的なものになっちゃいますよね。ちゃんとデータに基づいて今回の決算はサプライズだったよねって言えるためのやり方が3つあります。
- 時系列モデル
- アナリスト予想のIBES
- 利益外情報を含める
ざっくりといきます。
時系列モデル(バーナード&トーマス型)
時系列モデルはいくつかあるようですが、これはバーナード&トーマスという2人の学者によるものです。
EPS(一株あたりの純利益)が前年同期でどれほど変動したかを集めて平均を計算し、毎回の予想と実績がどれほどブレるか、係数を掛け合わせるなどしつつ、いつものブレ幅(標準偏差)を計算します。その標準偏差を使って今回の決算結果と比べる。例えば、標準偏差より何倍にもなるならサプライズだよねと考えます。
アナリスト予想(IBES型)
決算ごとのアナリスト予想の平均(コンセンサス)と決算の実績との差を集めていって、いつものブレ(標準偏差)を求めます。今回の実績値がその標準偏差の何倍に当たるかを見て、サプライズを判断します。
難点はアナリストのコンセンサスを見るには、IBES(Institutional Brokers’ Estimate System)という、機関投資家しか見れない、データベースが必要なところ。笑
利益外情報も含める
上の二つは主に利益情報の中からでしたがそれ+利益情報以外も含める方法です、利益情報外とは、例えば、投資計画、経営戦略、決算説明会などです。これらをアナリストやファンド、クォンツが独自の計算式に基ついて、サプライズの判断をします。
まとめ
まとめ
→決算サプライズが起こった後に株価が上か下にじわじわ動き続ける現象
現状
- まだ存在している
- PEADは決算後の四半期に集中
- 小型企業の方がなりやすい
サプライズの定義方法
- 時系列モデル(バーナード&トーマス型)
- アナリスト予想(IBES型)
- 利益外情報も含める
でした。


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